読書週間

昨年の晩秋から、いつも行っている美容室のお兄さんと、読んだ本を交換し合っているうちに、猛烈に本を読み始めた。

始まりは、美容室で髪を染めてもらっている時間に、燃え殻さんの『すべて忘れてしまうから』を読んだのが、きっかけ。

カラーリングが終わったとき、もう少しで読み終わりそうだったから、待ち合いのソファで最後まで読ませてもらって、そのまま美容室のお兄さんに貸してきた。普段の会話からこういうの好きそうだなと思ったから。

ひと月後に行くと、読んだ本を返してくれて、お返しに『マイホームヒーロー』を貸してくれた。佐々木蔵之介さんが主演のドラマの原作漫画。普段あまり読まないタイプの漫画だけど、借りて読むと……怖かった。ドキドキするし。ドラマも少し見たけど、ハラハラするのでそのうち見なくなった。

ひと月後に行ったとき、返したら「いらないので返さなくていい」と言うので、『すべて忘れてしまうから』とメルカリで売った。お兄さんも読書熱に火がついたようで、次に『夜明けのすべて』を貸してくれた。映画化された本で、読んでいる間、主人公の顔がずっと上白石萌音でイメージ出来て入りやすかった。

その頃には私も、普段面倒だから読まなくなった小説にも手が出しやすくなっていて、『イニシエーション・ラブ』『橋ものがたり』『街とその不確かな壁』『人間失格』と次々に読み進めて行った。

もともと村上春樹は大好きで、中でも『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が好きだったから、『街とその不確かな壁』もハマった。村上春樹は、イメージが浮かびやすく、その世界に浸りやすい。おまけに言葉が、私に過去の不安を思い起こさせないもので、不思議に安心して読める。春樹さんは、物語を書くとき、自分の奥深く、底の方にどんどん降りていくと何かで読んだことがあるが、第一部を読んでいる時、高校生の頃の自分が底の方にいるのだろうかと思った。私の底の方には誰がいるのだろう。

そういえば、小学生の頃のことはよく浮かんでくる。母親が怒ると怖くて、泣いても許してくれなくて、大人だから言うことがいちいちごもっともで。あれは辛かった。代わりに今となっては、老いた母親を理詰めで負かしてしまうことがある。母親は「聞きたくない。だまれ」と逃げてしまう。

話を戻すと、本はその勢いで読み進めている。今は積ん読に手をつけているところ。『今日、誰のために生きる?』『CARPE DIEM』『禅の知恵に学ぶ』『ヨーガ・スートラ』

休日は、部屋を静かにして、読書に勤しむ。

読書の後は、読書ノートをつける。